お絵かき のんちゃん
 

のんちゃんはお絵かきが大好きです。
毎日、朝から晩まで絵を描いているので、紙が幾つあっても足りません。

 ある日、一人で留守番してるときに、またまた紙がなくなって、とうとう家中に絵を描いてしまいました。
帰ってきたお父さんとお母さんは、もうカンカンです。
こっぴどくのんちゃんは叱られました。
のんちゃんは家中の絵を泣きながら消していると、お父さんが側に来ました。
「のんちゃんは、どうして叱られてるか分かるか?」
「家中に落書きしたから。」
「どうして家中に落書きしたらいけないか分かる?」
「・・・・・・」
「のんちゃんが絵を描いた花瓶や、タンスなど家にあるものは皆、作った人の
 心がこもっているんだよ。そこに落書きされたら、作った人が悲しい気持ちに
 なるだろ。分かる?」
「うん。」
「じゃぁ、作った人にごめんなさいの気持ちを込めて消そうね。」
そう言って、お父さんは一緒に落書きを消してくれました。

落書きを消し終えると、お父さんがスケッチブックとクレヨンを持って来ました。
「これは、魔法のスケッチブックだよ。だけど、使い方を間違えると大変なこと
 になるから、気を付けて。先ず、楽しい気持ちの絵を描くこと。暗い気持ちで
 描いては行けないよ。」
「はい。」
「それから、このスケッチブックは一日一回までだよ。そして、お父さんかお母
 さんのいるときにだけ、使うんだよ。このスケッチブックとクレヨンはお母さ
 んに預けておくからね。」
「はい!!」
のんちゃんは嬉しくて嬉しくて、お父さんの話をうわの空で聞いていました。


        イラスト のの


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