1. 月見ヶ原の夢      P1

     
     ここ月見ヶ原には、うさぎのキーコとお母さんが住んでいました。
    お母さんは病気で寝込んでしまったので、
     キーコが看病していました。

                           

 満月のある晩、お母さんがキーコに話かけました。
 「キーコや。お母さんは本当は、あの月に住んでいた
  んだよ。ところが丁度今頃、お月見のお餅をまるめ
  てたら、手がすべってころころ下界にころがったの。
  それを取ろうと手を伸ばしたら、お母さんも一緒に落
  ちちゃったのよ。あのお餅がもう一度食べたいわぁ
  〜。」と目を細めています。 
キーコはお母さんの願いがどうしても叶えたくなって、 
 「私が持ってきてあげるから、待ってて。」 
 そう言って、外へ出ていきました。
ところが、キーコはどうやって月に行ったらいいか、わかりません。 

 
               
イラスト のの


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