追想〜編み物だってすごいんです〜
 

 おばあちゃんは、編み物もすごいんです。
 私が来てから10年、それだけでも、いろいろ編んでいました。
 私たちの結婚のお祝いに、ダブルベットのベットカバーを編んでくれました。その他、靴下カバーを何百足、座布団カバーに、100歳になっての大作はなんと、こたつカバーでした。

 しかも、ただ編むだけではなく、いろんなセーターをほどいて、一度に10色くらいを混ぜてあみます。
その色彩の素晴らしいこと。なんと、おばあちゃんの孫(旦那の弟)がその血をひいて、グラフィックデザイナーになったくらいです。

 おばあちゃんの作品の中で、私にとっての傑作は、ひざかけです。
  一時期、家で仕事をしている私を見てて、いつもイスに腰掛けての作業だからと膝掛けと、足の下に敷く敷物(両足をのせて丁度くらいの小さい敷物)を編んでくれました。
その中の、膝掛けになんとエプロンのように紐がついていて、まさに毛糸のエプロンとなっていました。
おばあちゃんは、私と旦那に編んでくれたが、旦那は「こんなのしないよ。」と言うので、私が旦那の分ももらい、前と後ろにかけると、あっという間に毛糸のスカートができました。

 そのつけ心地のいいこと。その後旦那と事務所を設けて通うようになってからも愛用し、なんと電車に乗ってから、コートのしたに着けたまま帰ったときは、さすがに恥ずかしい思いをしました。

 



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