顔から火がでる体験
 
 この話は30過ぎたいい大人が、まぁとんでもないことをやらかした、
とにかく恥ずかしい体験です。

 その日、私はとても疲れてたのだろう。
東京へ撮影に行って電車で帰る中、若草色の三脚ケースを手すりに結わえ付け、カメラバックをひざに抱えて、いつものように眠りこけていた。
 ふと、電車の揺れが激しくなり、うっすら目を開けると、視野の片隅に三脚ケースが倒れるところが見え、慌てて三脚ケースを抱えたら、なんと、私の腕の中には、三脚ケースではなく、若草色のシャツをきたおじさんがすっぽり入っていた。
そりゃぁ、もうビックリですよ。本当は、私よりそのおじさんの方が
もっとビックリしたでしょうが、おじさんはにっこり笑って
「倒れてますよ。」と三脚ケースを指さした。

 やっと我に返った私は「すみません」と言い、三脚ケースを持ち直し、
ひざからひっくり帰ったみじめなカメラバックを拾い、今座ってた座席に座り直すと、となりのおばさんがこっそり耳打ちするように、小さな声で
 「すられたと思ったの?」と聞かれ、ようやく顔から火がでるくらいの恥ずかしさがこみ上げてきた。

 それにしても、おじさんは、若い女性?に抱きつかれて役得だったかも知れないけど、私が男で相手が女だったら、立派な痴漢行為で、警察に連れて行かれたって文句は言えないでしょう。

ちなみに、倒れた三脚は、小さいバーが一本折れてました。とほほです。

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