追想〜はじめての喧嘩〜
 

  あれは、お姉が3才のころ、私もはじめての子育てで、神経質になっていたと思う。
 でも、どうしてもおばちゃんが、ごはんの時に子どもに甘いものをあげようとするのが嫌でした。
 そして、とうとうお姉は3才にして、虫歯がひどくなりました。
もちろん、私の歯磨きがへただったのも大きな要因ですが、前々から気になっていたので、思い切っておばあちゃんに「ごはんの時に甘い物をあげるのをやめて。」と言ったら、食べていた茶碗をひっくり返し、すぐ近くの娘の家に行ってしまいました。

 今にして思えば、おばあちゃんがごはんの時にわざわざトイレに立ち、おやつをくれるのは、しょうがないことでした。
だって、身体が神経痛で痛いので、ごはんの時にしか立てないのです。
 そして悲しいかな、家族がおばあちゃに話かけるのも、ごはんの時。いけないと思っていても、日々忙しく過ごしていると、ついおばあちゃんの事がおろそかになってしまいます。
 だからおばあちゃんが、ひ孫に声をかけるのも、ごはんの時になってしまいます。

 どうして、その時気づいてあげられなかったのか、後悔先に立たずです。


 娘のところに行ったおばあちゃん。気にしながらも、自分の仕事をしていると、その娘が家まで訪れてきた。
 聞けば、お義母さんが迎えに来ないと、怒っているそうです。
あの喧嘩の時も、お義母が止めるべきなのにって、もう私の事は関心がなくなっていて、(私がおばあちゃんに意見を言えば、お義母さんに矛先がむかう)と言うことがショックでした。

 これも、今思えばしごく当たり前ですよね。
私は孫嫁。つまり、おばあちゃんにとっては私はまだまだ鼻たれ小僧です。そんなガキの話がまともに聞ける訳がない。
いなくなってからあれこれ思っても遅いけど、気づいたことは忘れず、次に活かしたいと思い、書き留めました。



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