No.9 タイヤの暴走
 
 
知り合いの板金やさんが、「おもしろい車があるから、いらない?」と言われ、丁度、車をおしゃかにして困っていたので、天の助けとその車をありがた〜くいただきました。
面白い車というのは、ウォークスルーバンというもので、タイヤが小さく車体が正方形に近く、ドアがバスの様に引き戸で、車の中で立てるんです。近い車が、花やさんの車かな。背の高い植木などを配達する車。

 とにかくおもしろく、注目の的って感じでしばらくは、楽しんでいた。そう、あの恐怖を体験するまでは。
 それは、いつもの様に納品の為、浦和に向かおうと、いつもの様に陸橋を渡って右折した時、ガッツンと嫌〜な音がして、車体がグラグラ揺れはじめた。一応、近場の駐車場に止まって一回り車の周りを回ったが、判らず、でも恐いので帰ろうとUターンをした途端、私の車が斜めに傾き、見覚えのあるタイヤが目の前をコロコロって転がっている。

 状況を把握するのに、2秒はかかったかな。だ〜って、信じられる?自分が今、走っている車のタイヤが転がるなんて。原因は、背の高い車に似合わない小さいタイヤ。そのナットがアルミでできていて、陸橋を降りて右折した時に4本いっぺんに折れてしまってたのだ。

慌てて、板金屋さんに事情を話すと、「あぁ〜タイヤのナット、一本だけ締め忘れてたぁ〜。」だって。そんなぁ〜。



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