長距離ランナーNo.2

走るのは一人
だけど一歩その苦しみから離れると
友がいた
共に笑い 苦しみ
同じ『時』にもまれた仲間が
ゴールの向こう側で待っている
私は一人じゃない
その想いが 今までくすぶっていた不安を
いくらか安らかにしてくれた

人は
猿が二本足で立ち
道具を持った時に 生まれた
それから生命の輪廻の中
赤ん坊から大人への1ステップとして
立ち上がる 力をこめて
そして歩き
いつしか走ることを覚える
今 私はこの文明社会を走る
もっとも原始的本能に従って

自己への挑戦
自分を限界まで追いつめて
高く翔びたつために 走る
くじけたら挫折
走り抜いたら勝利という
絶壁に身をさらしながら

何故 走るのか判らない
判らないから 走る
その答えを見つける為に

ゴールのテープが見えてきた
見慣れた顔ぶれが こちらに手を振っている
もう 何も考えず
あの安らぎにむかって
ラストスパート!

そして心ゆくまで眠る
明日という日の挑戦のために


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